「取れたて」創刊10周年記念

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10年来の悪夢

平成4年卒 はなこ


 数学愛好家少年少女の皆さん、こんにちは。(あっこれ、高校生対象じゃないの?違ってたら削除してください)今年もかなりの猛暑でしたが(岩手はどうだったんでしょうか)「夏を制するものは受験を制す」とかなんとか言われては皆さん勉学に勤しまれたことと思います。

 私が高校生だったのも気が付けば10年前となりました。高校野球といえば昔は"自分よりすごいお兄ちゃん達がやっている"という意識があったものですが、今では自分より10コも歳が下の少年達が汗と涙を流しているわけです。会社の夏季休暇中、そんな少年達をテレビで見てはそうめんをすする夏の1日というものは子供の頃から変わらない時間ですが、そうめんをすするにしてもどこのタレがおいしいとか、別の器のほうがきれいだとか、甲子園もいいけど日焼けがねえ、シミになるしねー・・・とか思う自分だけ変化していることをふと感じたりします。

 高校野球ならまだ良いとして、力士が自分より年下だったりするとまた違ったショックを覚えたりします。

 ・・・だいぶ話がそれたので話を戻しましょう。(枚数を稼ぐためにわざとそらしている。だいたいレポートというものは1枚ありゃいいんです。大学の試験も3枚とか書かせるものがありますが、テーマが5点以上でもないと無駄な気がします。ちなみに就職試験には長い文章は要求されません)

 今回のテーマは「数学と私」だそうです。数学。何度思い出しても辛く苦しい思い出です。間違って理系を選択してしまった私でしたが(てゆうかあほな親が「子供は医者か薬剤師にしたい」と無理な希望を託したからですね、まったく両親文系のくせして夢ばっか見るんだから・・・さんざんバカ呼ばわりして、あんたの子だよって感じ、とカッコの中がまた長くなりました)、数学は全教科の中で一番の苦手でした。算数はよかったの、小・中学校までは。何がいけなかったのかすら思い出せませんが、確かダイスウキカとかベクトルとかが・・・いけなかったと思うのですが・・・あとあれですね、セキブン。 教科書の解答が書いてある本、(解答方法が間違っている場合も多い)なんていうのか忘れたけどそれは毎号買っていた記憶がうっすらとありますが、結局それ見てもわかんないので、1度も開かず新品同様のまま持ってたりしたものです。それは今でも夢に見ます。夢といえば、「フォーステップテスト(当時使用してた問題集からこんな名称がついてた)」の準備が全く間に合わず、できーん!間にあわーーん!!!と泣きそうになってた悪夢を今でも時々見ます。怖いものです。うちの母は齢55を過ぎても見るそうです。ということはこれからもこの悪夢は続くということです。怖いものです。

 そして冒頭申し上げた通り、「夏を制するものは受験を制す」という洗脳めいた言葉のもとにひたすら間違った受験勉強をしていた日々を思い出すたび、やっぱり自分は間違った高校生活を過ごしてしまったという後悔だけが残るのです。脳がとろけそうな季節だというのに、だから夏休みがあるというのに、能率が上がるわけない夏期講習かなんか受けて間違ったお金と若さの無駄遣いをしていたあの頃。受験のために禁欲生活みたいなことをしていたのが普通で、自分だけではなく周りも皆そうだったので当時はそれしかできなかったのですが、今思うとおしゃれや恋愛にうつつを抜かしていた方がよっぽど楽しかったように思います。渋谷センター街を歩くと、色とりどりの髪にセキセイインコのようなメイクで闊歩する女子高生にたくさん遭遇できますが、ヤマンバとか汚いとかいう世間のバッシングをよそに、彼女たちは大変元気です。なんだかとても、かわいいと思います。一番正しい若い時間の使い方です。私の高校時代・・・地味だったわ。はああ(ため息)。

 やっぱりね、人間、抑圧するとダメです。結局ダメっていわれたことは後で全部やりますから。やりたいことやっての失敗というのは「良い思い出」「若気の至り」と呼べますが、我慢をした、無理をしたという記憶は「後悔」としてしか残りません。あ。スウガクが「大好き」で「今一番やりたい」という方はどうぞ思う存分、頑張ってください。

 ところが、スウガク、です。スウガクにロマンを感じる人も中にはいるようですが・・・。どうもその辺で熱っぽく語られても普通の人なら引いてしまうのが現実。

 理系は理系でも、バケ学はこれがまた役に立ちます。夏といえば花火ですが、無機化学なしに花火は語れないわけです。「花火って炎色反応なんだよね。バリウムが緑。」とかなんとか飲みの席で言うだけでも、成人病検診でバリウムのお世話になっているくたびれサラリーマンはちょっとびっくりしちゃったりするわけです。ところで最近の花火には水色という新色が出ているのですが、何の元素だかご存知の方はご一報ください。バケ学は無機のみならず有機化学なんかは非常に楽しいです。甲羅マークをいっぱい描いて、つなげて離して、薬にも爆発物にも食品にもなりますからこれはかなりお役立ちです。食品のお勉強に必須ですから、女の子にもかなりおすすめです。

 ところが、スウガクです。女の子がスウガク。これはかなり嫌がられます。合コンでも、せっかくそこそこかわいくても、スウガク教師とか、リガクブスウガクカ、とか言った時点であんまりモテません。(あんな場で人気を得てもたいしたことはありませんから別にいいのですが。)だいたいそういう場にくるのは男性も文系ですから、「インスウブンカイとか得意なんだ?」程度に寒い話題をふるぐらいしかできないわけです。せっかくスウガクという一般的には難解なものを理解できるだけでも彼女はすばらしい人なのに、ああなんてもったいない。そしてスウガク。飲みの席のネタにもなりにくい上に雑学の対象にもならないという悲しい分野。

 スウガクに限らず、女というのは知恵をつけると殆どの場合、もてません。嫌がられます。残念なことですが女の子の生き方というのはそれが現実です。スウガク好きな皆さんは別ですが、もし中にスウガク、どうしてもわかんないと思う方がいらっしゃれば、是非早めに、一日も早く見切りをつけて切り捨て、教科の少ない私文に転向し、残りの時間とお金をおしゃれや恋愛に費やすことをおすすめします。女の子は私文。これに尽きます。何も努力しなくても、かわいくしてりゃいいんです女の子は。間違ってると思うでしょ?間違ってるんです社会は。そんなもんです。

 赤点の屈辱感、補習メンバーに入ってしまった時の恥辱感といったら当時相当なダメージでしたが、今思うと売春行為とか性病感染がばれても堂々としている一部今時女子高生に比べたら何もたいしたことなかったんですがね。ああ情けない。

 あ。一つだけ、ありました。ネタらしきものが。確か私の同級生にいたんです、幾何学が好きで新しい定理らしきものを発見してしまった少年が。それを見つけた彼もすごいけど、新しいとわかって「大学への数学」に発表までの運びを手助けしたみやじ氏もすごいかも、とは思いました。当時のことは少々、社会人になってからもネタとなっております。発見した少年はその時点でトウキョウリカダイガクに推薦が決まった、とかいろんな噂が飛び交いましたが、結局彼の進路がその後どうなったかは私はよく知りません。どうなったんでしょうか?

 さて散々スウガクの思い出、というよりはスウガクの悪口になってしまった今回のレポート、何か一つぐらい楽しいことないの?という感じですが、ごめんなさい、ないんです本当に。今となってはこれだけネタになるんだからまあいいのか、という気もしますが、スウガクを愛好しない少年少女の皆さんには、間違った時間の使い方をしないよう、もう一度考え直すことをお勧めしたいと思います。

 何はともあれ、悔いのない人生などないのですが、少しでも悔いは少なく。それではみなさんお元気で。

平成13年 8月吉日


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