2000年文化祭 数学展

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 入り口でパンフレットを取って、まっすぐに進むと、球面上の三角形の内角の和について、手で触りながら考える場所があります。

三角形の内角の和が180度でなくなる場所


質問1

 ある人がある地点からま南へ1万キロメートル行って、そこからま東へ6千キロメートル行き、こんどはま北へ向かって1万キロメートル行った。するともといた地点に戻っていた。こんな地点はどこにあるか?

質問2

 三角形の内角の和は180度をよりも大きいことがある。これはほんとうか?

質問3

 2点を通る直線は1本だけでなく、無数にある。これはほんとうか?


 以上、「算数の探検5 形とあそぼう」 遠山 啓 著 より


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球面上で直線とは?

 太平洋の向こうに飛んでいく飛行機がとるコースは、「大円コース」が一番飛ぶ距離が小さくてすむのだそうだ。平面上では、直線は2点を通る最短線となっているので、球面上でも2点を結ぶ最短線を「直線」とよぶにふさわしいと考えられます。

 左の写真は、アクリルの球の上に「大円」なるものを糸で作ってみました。球の直径を通る平面と球面との共有点のことです。

 「直線」・・・すなわち大円が・・・が3本あれば平面上とおなじように三角形ができます。この三角形の3つの角を考えてみましょう。


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 球面上の2つの「直線」はかならず2点で交わります。2点で交わることによって、球面が4つの部分に分かれますが、三角形を作る角度のあるほうをひとつ考えてみましょう。

 写真のような、ちょうど食べ終わったスイカの皮の部分のようなものを考えてみると、これは球面の一部分をなしています。この赤い「スイカの皮」は、今考えている三角形の一つの角と同じ交差角をなす2直線で囲まれています。

 この角度が360度のときに、球面全体Sに一致しますが、なす角がθ1のときには、
   S:(スイカの皮)=360度:角度
ということになり、
   スイカの皮の面積 = S×θ1/360°
となっています。



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 いま考えている三角形の別の内角θ2について、同じように「スイカの皮」を考えてみよう。上と同じように考えて、
   スイカの皮の面積 = S×θ2/360°
となっています。



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 もうひとつの内角θ3についての「スイカの皮」についても、同じように考えて、
   スイカの皮の面積 = S×θ3/360°
となっています。



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 この3つの「スイカの皮」を今考えている三角形の対応する場所に重ねてみましょう。

 緑の「スイカの皮」を、同じ角度で、向こう側にできるスイカの皮の部分に移動してみると、3枚のスイカの皮が半球全体を覆い尽くしていることを見ることができる。そして、三角形の部分には3枚が重なっていることがわかります。

 ということは、
   S×θ1/360°+S×θ2/360°+S×θ3/360°
  =S/2 + 2×(三角形の面積)
となります。
 これから、
   S/360°(θ1+θ2+θ3)=S/2+2×(三角形の面積)
となります。


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 このことから、
   θ1+θ2+θ3=180°+三角形の面積×720°/S
となっています。

 三角形の内角の和は、180°よりも大きいことがわかります。また、このことから、三角形の面積は、3つの角度を求めれば求められることになります。つまり、平面では3つの角度が等しいだけでは、相似な三角形がたくさん考えられましたが、球面上で三角形を考えるときには、3つの角が決まれば、面積まで決まってしまい、合同な三角形になってしまうわけですね。



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 さてさて、球面上では三角形の内角の和は180°を超えました。では、この写真のような曲面上で三角形を描いたら、内角の和はどうなるでしょうか?


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