2000櫻雲祭(文化祭)

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 部屋の中央には、大きなテーブルがあって、そこには、「塩であそぼう」というコーナーがあります。AMIの全国大会等(三沢大会、ある集まりで鬼怒川温泉、そして、今年の東京大会)で東京の黒田俊郎先生から教えていただいたものですが、文化祭でみんなに見てもらうのにぴったりだと思い今回の展示のメインの催しものとしてやってみることにしました。

塩で遊ぼう!

 このコーナーは、「心を無にしてひたすら塩をすくってはばらまく」それだけのコーナーなのですが、そうやって出現する美しい形に、みんな喜んでくれました。




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三角形の台紙に塩をふると・・・

 お客さんが来ると、まずこれを見せます。塩をコップですくって、ただ無造作に三角形の台紙の上にばらまきます。すると、塩が三角錐を作ります。これだけで見ている人は歓声をあげます。何が起こっているのだろうかと不思議に思います。

 この三角錐は、塩の量によって高さこそ違いますが、いつも同じところに頂点ができます。この頂点は何なのでしょう?

 最初の第一声は、「重心かな〜?」というのが多いのですが、・・・・。


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 長い長方形をコップとコップの間に橋にして、その上に塩を落としてみます。今度は、この橋の上に、倒した三角柱ができます。一つの側面が橋になっていて、二つの側面は斜面になっています。橋の中央を稜線がつづきます。この稜線は橋に平行に、中央を走っています。

 塩の粒々が空から振ってきて塩の山にあたりますと、そのまま斜面を転がっていきます。橋の右側に落ちるか、左側に落ちるかは、落ちた地点がどっちの崖に近いかによります。そうすると、橋の右端と左端のちょうど中央におちた塩粒は、どっちに行こうか迷うってしまいます。そういうわけで、塩の山が出来ますが、自然と頂上は端の真中を走るようにできてしまいます。

 つまり、この橋に落ちた塩粒は山となりますが、その稜線は橋の中央線になります。橋の右端と左端まで等距離になる点ということになります。



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 ということは、三角形の台紙の上に落ちた砂粒が山を作るときも、2辺への距離が等しい点が稜線をつくることになります。三角錐の稜線は、三角形の2辺まで等距離にある点であるというわけです。これは、角の二等分線ですから、その3稜線が交わる頂点は、この三角形の内心になっているのです。



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 工作用紙で箱を作り、箱の底に3つの穴をあけます。この中に塩を入れていくとどうなるでしょう? 塩をどんどん入れて箱をいっぱいにしても、底にあけた穴から塩が落ちていきます。塩が落ちていくと、アリジゴクの巣のようなすり鉢が3つ出来ます。そのすりナチの縁3つが一点を通ります。これは何でしょう?

 すり鉢の縁は穴までの距離が等しい点の集まりとなっています。この3つの縁が交わる点では、3つの穴までの距離が等しくなります。つまりこの点は三角形の外心となるわけです。



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 円盤のどこかに穴をあけて、これに塩を降り注ぎます。そうすると円錐型の山ができますが、一方で穴から砂が落ちて行きますが、今度はアリジゴクの巣のようなすり鉢状ではなく、写真のような形になります。さあ、この縁の形はいったい何なのでしょう?


 穴が無ければ、塩の粒は円盤の中心から円の縁に向かう半径方向に落ちて行きます。ところが、その経路の近くに穴があると、その穴に引き寄せられるように穴に向かいます。穴に落ちるか、円の縁に行くかは、やはり、距離が小さい方の道を選ぶのでしょう。

 図のようになります。すり鉢の縁上の点では、縁に行く赤い線の長さと穴に向かう赤い線の長さが等しいのです。ということは、円盤の中心から縁の点に向かう青い線分の長さと、縁から穴に向かう縁の長さは、縁上の点ならどこでも、その和が円盤の半径に等しく一定だということです。

 このことは、この形が楕円であることを示しています。



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 次に、これはどうでしょう。箱の底は長方形状に切られています。そして、穴が一つあります。穴が無ければ、塩は箱の左の丘から、右の四角の穴までまっすぐに落ちていきます。ところが、途中に穴があって、塩粒のかなりのものは、その穴に向かって落ちていきます。まっすぐ落ちるものと穴に落ちるものとの分岐点が、また稜線をつくっています。この稜線の点からは、まっすぐ崖に落ちていく距離と、穴まで落ちていく距離が等しいのです。

 これは、放物線なのですね。



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 これはどうなっているのでしょう。箱の底に大きな半円の穴があいています。またもう一つ小さな穴があります。この箱の中に塩を入れて行くとどうなるでしょう。塩の粒は箱左側の丘の上から右側にある大きな半円形の崖にめがけて落ちていきます。その途中に小さな穴があいていて、塩の粒はこの穴からも落ちていきます。この小さな穴から塩が落ちていくために、またもやアリジゴクの巣のようなすり鉢ができます。このすり鉢の縁は、上でみた放物線に似ています。さあ、これはどういう曲線になるのでしょう。


 すり鉢の縁にある点からは、小さな穴までの距離(赤い線分)と大きな崖までの距離(赤い線分)が等しくなっています。大きな半円形の崖の中心から、この縁の点までを直線で結んで考えると、この線分の長さは、赤い線分+青い線分となっています。このことから、すり鉢の縁にある点から崖の大きな半円の中心までの距離と小さな穴までの距離の差がつねに一定の半円の半径となるということがわかりますね。

 このような点の軌跡は「双曲線」とよばれるものです。



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 「塩で遊ぼう」と同じテーブル、反対側には、2次曲線を実際に書いてみるコーナーを作りました。2つの画鋲に糸で作った輪を引っ掛けて鉛筆の先を糸にひっかけて糸をぴんと張りながら動かします。そうすると、いつも2つの画鋲から鉛筆の先までの距離の輪が一定になっています。つまりできる図形は楕円ということになります。


 同心円がいっぱいかいてある紙の上に、2点からの距離の和が一定になるように点を取ることは簡単です。同じように距離の差が一定になる点をとることも簡単です。このようにして、楕円と双曲線を描くことができます。同心円と平行線がいっぱい描いてある紙では、同様にして放物線が描けます。


 紙を折ると、折り目について線対称な形が作れます。このことを使って楕円や放物線を折って作ることができます。円形の折り紙を1枚用意します。円の内部に1つ点をとります。円を追って、縁の縁がこの点にせっするように折り目をつけます。いろいろな折方がありますから、いっぱい折り目をつけていきます。この折り目の包絡線として楕円が現われます。また正方形の折り紙でも同じことができます。正方形の1辺に近いところに点をとります。そして、この紙を折り曲げて、この1辺が取った点に接するように折り目をいっぱいつくります。こうしてできるのは放物線になります。


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