10月19日(土)にもたれたサークルの様子をお知らせします。
●3次方程式の解法 金濱千明(盛岡第一高校)
高校1年「数と式」の演習で登場する因数分解の公式
についてaをXに置き換えて整理すると
……@
この式を利用して3次方程式……Aを解いてみよう。
@ の左辺と比較して
すなわち
よって、は2次方程式
の解である。なので、2数b,cは、となる。従ってAの左辺は、
と因数分解され、方程式の解は
となる。
●の仲間たち 下河原 英(軽米高校)
●大学数学の架け橋:部分積分とテーラー展開 下町壽男(盛岡第三高校)
●ケプラーの方法 宮本次郎(花巻北高校)
ティコブラーエの観測データを用いてケプラーは地球と火星の公転の軌道を調べたことは有名です。正弦定理を利用して、比較的簡単に「地球の公転はほぼ円軌道とみなしてよいが、火星は楕円軌道である」ことが追体験できます。
地球の公転周期は365日、火星の公転周期は678日であることは既にわかっています。また、地球からみた太陽の方向と火星の方向はティコのデータによって与えられています。
太陽Sと地球Eと火星Mが一直線に並ぶ「衝」のから678日後の太陽と火星の方向のデータとさらに678日後のデータから次のことがわかります。
図のθとφはデータからわかりますので、正弦定理により
となるので
がわかります。さらに678日後のデータから同様に
このようにして地球軌道上の点が決まると、地球の軌道と運行速度がSMを基準としたものとして計算されます。このことから、地球の軌道は円とみなしてよいことが導かれます。
●負の長さ・角度・面積・体積 宮本次郎(花巻北高校)
初等幾何の定理の中で通常は逆が成り立たない場合にも、負の長さを考えることによって、逆も成り立つようにすることができます。例えば、「方べきの定理」では、点Aを通る2つの直線上に2点P、QおよびR、Sがあるとき
『P、Q、R、Sが同一円周上にある⇒AP・AQ=AR・AS』
この定理の逆は成り立たない。各図で、円上にある点Pに対して、点Aに関して対称点P’をとると、この点に関しても関係式は成り立っているのにもかかわらず、この4点は同一円周上にない。
しかし、線分AP、AQ、AR、ASに向きを考え負の長さを許容すれば、
点Aが円の内部にあるときは、AP・AQ<0、AR・AS<0
点Aが円の外部にあるときは、AP・AQ>0、AR・AS>0
となり逆も成り立つ。
同様のことは、比例線定理やメネラウスの定理・チェバの定理についてもいえる。また、負の角を許容すれば、円周角の定理についても劣弧、優弧にかかわらず統一的に捉えることができる。さらに、負の面積や負の体積を許容すれば、原点Oと点A、Bに対してOA,OBを2辺とする平行四辺形の面積を求める式や原点Oと空間の点A、B、Cに対してOA、OB、OCを3辺とする平行6面体の体積を求める式が統一的に書くことができる。
この負の長さ、面積、体積は数学教育で実に大切な役割をはたすと思われる。
●立方体倍積問題と折り紙 伊藤潤一(平舘高校)
折り紙による作図法は、定規とコンパスによる作図のできないタイプの作図も可能であることは以前から知られていた。
立方体倍積問題の折り紙による解法を紹介しよう。
まず、正方形を3等分する。
上の図において、とすると、で、直角三角形に着目し、とは相似であることから
すなわち
が得られる。つまり、となるのである。
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