’03杜陵サークル5月例会の報告

1 日      時 5月17日(土)pm4:007:00

2 場      所 岩手大学教育学部小宮山研究室(407号)

           tel 019-621-6539  fax 019-621-6543

3 サークル例会  実践レポート発表・検討

            数学雑談

インフォメーション

5月10日(土)、11日(土)と東北民教研中間集会が八戸市よねくらホテルで開かれました。岩手県から伊藤、下河原、木下の3人が参加しました。そのときの会議で今年度も東北地区協の合宿研究会を開催することにしました。期日は7月5日(土)、6日、場所は(日)盛岡の国保会館です。そのうち、案内が届くはずですのでご予定ください。7日の夜は、中村委員長の案内で、行きつけの類家温泉で汗を流す→隣の鮨やで刺身三昧→教え子がママのスナックでカラオケ→八戸で一番おいしい郷土料理「ひっつみ」の賞味とまさにフルコースの接待でした。次の日、中村さんは21kmのハーフマラソンを完走したとのことタフネスですねー。

来年度のAMI東北の研究大会は、11月29日(土)30日(日)岩手で開催される予定です。岩手大学と国保会館を会場にして、小学校1、中学校1、高校1の授業を実現する方向で調整中です。また、講演と授業者の人選中です。お勧めの人・希望の人がいたら紹介ください。

同じく来年度の8月9日から11日まで北海道大学でもたれるAMIの全国大会とその後の北海道の夏を満喫するオプショナルツアーのメンバーを募集しています。今のところ、7日(月)の夜八戸からフェリーに乗って8日(火)早朝、苫小牧着。その日は、サークル独自のツアー。8日(火)の夕方、札幌の大会会場に到着。9日(水)、10日(木)、11日(金)の3日間は大会で勉強。11日の夜苫小牧からフェリーにのり12日(土)早朝八戸着。12日(土)の午前中に戻るという計画です。予算は、大会参加費+宿泊費+食費≒35000円、旅費≒25000円で6万円くらいになるのかな?(ただし、飲み代は含んでいません) 

下町先生が昨年度盛岡三高で発行し続けた「K君との数学談義」のプリントをまとめて『入魂の数VC〜Simomacci Presents〜』という本にまとめました。なんと145ページもの大作で、高校数学から大学数学への橋渡し教材とでもいえるものです。値段も1000円とお手頃。

絶好調の宮本先生と下町先生のホームページ。宮本先生のホームページの中に杜陵サークルのコーナーがあります。皆さんのぞいてみよう。

   下町先生のHP  http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/

    宮本先生のHP  http://homepage1.nifty.com./toretate/

 

5月例会の話題から

 5月17日(土)にもたれたサークルの様子をお知らせします。

 

●私立文系コース選択数学の授業…その1…            宮本次郎(花巻北高校)                       

 今年3年生の私立文系コースの選択数学の授業の時間をもつことになり、手と体と頭を動かして遊び感覚で数学史をなぞるような授業をすることにした。

 第1話:カクシリ器を使って

  1班 ・測定1 実際にはかれるものとして「靴箱の高さ」を測る

   ・測定2 実際にはかれないものとして「電柱の高さ」を測る

2班 ・I先生のCARを測る

校舎(時計の所まで)を測る

  3班 ・ハンドゴールを測る

     ・万葉植物園の棒を測る

 いずれも実際に計れるものは、数センチ以内の誤差という好結果であったという。

 

〈感  想〉

「昔はいったい何を測っていたのだろう、と思いました。のほほんと暮らしていることもできたのに、カクシリ器を作って物の高さを測ろうとしているのは、人の知的好奇心のたまものだったんでしょうか。今私たちが何気なくやっている数学を昔はもの凄くやりたくてやったんですね。」

「今回のカクシリ器を使った方法は、私にとってはとても斬新なもののように感じたのですが、実は、この方法が2000年前からあったと知ってとても驚きました。そう考えると、私たちの生活というのは、進化した数学の上に成り立っているんだなあと思いました。」

 

華麗なる式              下町壽男(盛岡第三高校)

 下町先生は上の式Pをことのほか大好きなのだそうです。その理由は…

1 分散との関連

  3数a,b,cの分散Vは(2乗平均)−(平均の2乗)で求められます。これを計算すると

 より

 となり、Pは分散Vに比例する量であることがわかります。このことから、のときP=0 

 となることが自明になります。

2 P=0の考察

  3数a,b,cが複素数のときP=0は何を表しているでしょうか?

より

つまり   

 とすると、これはをAの回りに60°回転させたところにがあるということなので、△ABCは正三角形であることがわかります。よって、

ならば△ABCは正三角形

3 の因数分解

  2次方程式の解は、より

  これから、

 が導け、これを利用して3次方程式の解を求めることができる。

 

通信「数学だいすき」の創刊と「少年少女数学愛好会」の発足  下町壽男(盛岡第三高校)

 今年の4月から三高の2学年の数学科通信「数学だいすき」を発行しているそうです。

 創刊号(4月9日)「数学の授業の進め方」、第2号(4月14日)「私の好きな言葉から」(野崎先生+SEG古川さん)第3号「数学はあなたを救う」(センター試験E判定から大逆転のAさん他)、第4号「数学はあなたを救う」(東北大を勝ち取った数学大好き生徒達)、第5号「数学はあなたを救う」(今年の生徒から。思いつくままに)第6号「少年少女数学愛好会を作りませんか」という内容です。

 さっそくこの呼びかけに応じて3名の生徒が入会したそうです。今後の展開が楽しみですね。

 

Fibonacci数列の下2桁の周期U                  下河原 英(軽米高校)

 前回のサークルで一般Fibonacci数列の周期が300であることを示した。ところが中には周期が60のものが存在するようである。どんな数列が周期60になるか調べてみた。

である。ここで、

となる場合を考える。さて、Fibonacci数列で作られる行列Fを用いて

……………@

の関係がある。ところで、

より

が得られ。

が5の倍数

であるように決めてやれば、一般的なFibonacci数列の下2桁の周期は60になる。とすると最小の自然数となる。このときがLucas数である。

 

●フィボナッチ数の周期性                     伊藤潤一(平舘高校)

 フィボナッチ数の第n項は

…………@

 また、リュカ数の第n項は

…………A

ただし、α、βは2次方程式の2つの解である。@とAより直ちにBが得られる。

………B

 さて、2の累乗を法とするリュカ数とフィボナッチ数の周期について次の2つの補題が成り立つ。

補題1 (ただし) 補題2 (ただし

この性質を使ってフを法とするフィボナッチ数の周期pがであることが証明できる。

定理1 (ただし

(証明)

   ところで

   であるので、

これより、におけるフィボナッチ数の周期がとなることがわかる。

同様にして5の累乗を法とするリュカ数とフィボナッチ数の周期について次の2つの補題が成り立つ。

補題3 (ただし) 補題4 (ただし

これより、

補題5  においてかつ となるのは (ただし

この性質を使ってフを法とするフィボナッチ数の周期pがであることが証明できる。

定理2 (ただし

定理1と定理2を組み合わせて、次の定理をえる。

定理3 におけるフィボナッチ数の周期Gは の最小公倍数となる。

具体的なフィボナッチ数の周期は次のとおりである。

 下1桁()のとき、周期60

 下2桁()のとき、周期300

 下3桁()のとき、周期1500

 下4桁()のとき、周期15000

 

天才!右院堂さんによるコラッツの予想の証明!?        下町壽男(平舘高校)

 下町先生のホームページに「右院堂さん」という方のコラッツ予想についての書き込みがあったとのこと。彼の「天才性?」のゆえになかなか理解が苦しかったが下町先生の名解釈によりそのアイデアの凄さが明らかになってきました。

 まず、自然数に対して「奇数なら3倍して1を加え、偶数なら2で割る」という操作を「コラッツの操作」と呼ぶことにします。

 そして次のような2つの自然数の集合を用意します。

ここで集合I(表A)は、全ての奇数の集合と1:1に対応しているというのが、右院堂さんの主張です。(証明済みとのこと。ホント?)また、集合J(表B)は、6N+1型または6N+5型の奇数の集合になります。

 集合Iの奇数nを一つ選びます。どんな奇数も3倍して1を加え、その後何回か2で割れば、集合Jの要素のどれかになります。このJの要素と同じ数を、集合Iの中から見つけ、コラッツの操作くわえれば集合Jの要素になります。このようなIとJの間の写像を繰り返すと1→4→2→1のループのたどりつくというものです。

 

 例えば「17」を考えると、これは表Aの2行2列のところに現れています。これと対応する表Bの2行2列の数は13です。これはコラッツ操作で17522613と変化するということを意味します。

次にこの13を表Aから見つけます。これと対応する表Bの数は5です。このようにしていくと

         表A        表B

          17    →         13

13       →        5

                   5               1

と必ず1になります。

 表Aと表Bを眺めていると、なんかただしいような気になってくるののが不思議なところです。

 ところで、コラッツの予想の解決のための次の下町先生の部分予想があります。

「すべての自然数はコラッツの操作上必ず周期的である」

下町先生はかなりのところまで追いつめているようですので、そのうち「やった!」という朗報が聞けるかもしれません。

 

’03杜陵サークル6月例会の案内

 

 梅雨前の緑が目にしみる過ごしやすい季節が参りました。高校総体そろそろ1期末考査に向けてテスト問題の構想でも練っているころでしょうか。

さて、杜陵サークルの例会を、下記の通り持つことにしました。今回は「泊まり込みでやろう」という会員各位の要望も取り入れ高教組数学教育推進委員会の学習会と合同してサンセール盛岡ですることにしました。忙しい中でしょうが、なにとぞ都合をつけて参加くださるようお願いいたします。なお、推進委員でない人や高教組でない人にも補助がでると思いますので格安で宿泊ができます。

 

1 日      時 6月13日(金)pm6:0014日(土)am12:00

2 場      所 サンセール盛岡  020-0883 盛岡市志家町1番10号

           tel  019-651-3322

3 サークル例会  実践レポート発表・検討

  &推進委員会 数学雑談

4 参加申し込み 参加申し込みは、6月6日(金)までに下河原英先生に。

 

 

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