’04杜陵サークル4月例会の案内

 暖かい日、寒い日いろいろですが桜の便りが聞こえる季節になりました。年度末の忙しい中でサークル会員の皆様お元気でお過ごしでしょうか。きっと新年度を間近に控えて、来年の授業の構想を練っていることでしょう。さて、杜陵サークルの4月例会を次の日程でもちます。忙しい中でしょうが、なにとぞ都合をつけて参加くださるようお願いいたします。

 なお、例会終了後にいつもの月見亭で“プレ花見の会”をもつ予定ですので、こちらの参加もよろしくお願いします。

 

1 日      時 4月3日(土)pm4:00〜7:30

2 場      所 岩手大学教育学部小宮山研究室(407号)

           tel 019-621-6539  fax 019-621-6543

3 サークル例会  実践レポート発表・検討

                  数学雑談

 

インフォメーション

3月13日(土)サークル会員の川村先生がついに華燭の典を挙げられました。媒酌人はなんと小宮山先生ご夫妻。サークルからもたくさん参加し「2人のバイオリズムによる相性度」「2人のモーフィングによる子ども予測」「不思議なかけ算による2人の深い結びつきの証明」「フーリエ変換でハッピーハッピー」など杜陵サークルワールドを展開。披露宴会場の人たちに深い印象(なんだ、あの集団は!)を与えました。また、川村先生自作の次々と無限展開できる「Welcome to our Wedding Reception」のカードも素晴らしいものでした。披露宴の後はそのまま終わるはずはなく2次会、3次会……と延々と続き、無限大に発散。お疲れさま!

3月27日(土)、28日(日)に「豊かな数学を楽しく」というテーマで信州・上諏訪温泉でAMIの全国高校研究集会がもたれます。いまのところ杜陵サークルからも宮本先生、伊藤先生、下河原先生が参加するとのこと。今回も楽しい集会になりそうです。多分その様子は4月例会で聞けると思います。

今年度の杜陵サークルの会員の人事異動は、わかっているところで、伊藤先生が盛岡北高校に、宮本先生が釜石南高校に、下町先生が花巻北高校に、鳩岡先生が一戸高校にというところです。新任地での活躍が楽しみですね。

絶好調の宮本先生と下町先生のホームページ。宮本先生のホームページの中に杜陵サークルのコーナーがあります。皆さんのぞいてみよう。

   下町先生のHP  http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/

    宮本先生のHP  http://homepage1.nifty.com./toretate/

 

2月例会の様子

 2月28日(土)の杜陵サークル2月例会の様子をお知らせします。

Pascal と Fibonacci の三角形                下河原 英(軽米高校)

 二項係数すなわちPascal係数とは、

で定義される。これに対して、Fibonacci係数とは、次のようにFibonacciで定義される数である。

この係数で作られる三角形がFibonacciの三角形である。初めの数段は下のようになる。

1

1         1

1         1   1

1         2   2   1

1         3   6   3   1

1   5  15  15   5   1

      1   8  40   60   40  8   1

…………

これをMathematicaで色塗りするプログラムを作った。下の図が3色50段のfibonacci三角形の色塗りである。Pasclaの三角形の色塗りと同様なフラクタル模様ができあがる。

 

 

●複比って何だろう?                   金濱千明(盛岡第一高校)

 図のように無限に伸びる直線の上に目の高さをaに合わせて立っている状況を考える。(を意味する)また、x軸を、y軸をとしx軸を地面、y軸をカンバスと考える。ここで、x軸とy軸の対応を次のようにするような射影変換を考える。

このとき、pとqの関係は、

となり、この変換の式は、

と確定される。このようにすると複比とは、

のことになる。すなわち、y軸上のdに対応するx軸上の点が複比を表すことになるのである。これで複比が目に見えるようになった!

 例えば、複比を−1にするには、x軸上の−1に対応するようにy軸上の点を決めればよい。ここでとすると、

となり、高校でも登場する調和点列が得られる。

 

 

 

●内心と傍心の性質                     宮本次郎(花巻北高校)

 三角形の3つの傍心を結んでできる三角形の性質を調べて、次の定理を得たという。

 定理1 三角形ABCの内心をIとし、また∠A内の傍心を、∠B内の傍心を、∠C内の傍心をとする。このとき、三角形ABCの内心Iは三角形の垂心である。

 定理2 三角形の外接円は、内心と傍心を結ぶ線分、および傍心と傍心を結ぶ線分を2等分する。

 

 この定理1と定理2によって、三角形ABCの外接円は三角形の九点円であることがわかる。これは、ちょっと嬉しい結果である。

 

 

●高校生大学生は分数をどのように考えているか        宮本次郎(花巻北高校)

 高校生3人、大学生8人、大学院生2人、教員2名に対してインタビュー形式の問題解決学習の形態で分数の意味と計算について「生きている」知識を調べた。

 例えば「分数の意味」を問う質問は、次の通りであった。

(1)「分数」と聞いて何を思い浮かべますか。

(2)知っている分数を1つ言ってください。それはどういういみですか?

(3)を図で書いてください。

(4)(等分割でない図を描いて)これはですか?

(5)分数はどういうときに使いますか?

このような質問から始まって、「分数のかけ算」や「分数のわり算」まですすめるのである。このインタビューで、普通のテストではうかがえないようないろいろなことがわかってきた。その幾つかを挙げると…。

 ・日常生活では分数を使うことはほとんどない。

 ・かけ算の意味については(一当たり量)×(いくつ分)の意味が圧倒的

 ・「量分数」より「分割分数」を基礎にして考える傾向がある。

 

 

●数学通信『数学大好き』他                 下町壽男(盛岡第三高校)

 ご存じシモマック先生の「数学大好き」通信の続報です。

 No.26 懸賞問題「CHALLENGE RANKING

 No.27  チャレンジランキングの結果より&犀川先生に挑戦

      何とトップの佐々木公平君のスコアは、10732161円でした。ネコ仙人さんも健闘して 

      第10位に入っています。

 No.28  本の紹介〜博士の愛した数式〜

 No.29  飽くなき研究活動が花開く〜佐々木修一先生の記事より〜&懸賞問題7

 No.30  完全数の話(懸賞問題付き)

 No.31  前号の懸賞問題の解答

 どの懸賞問題もかなり難しいのにもかかわらず、かなりの生徒が応募しているようです。これは、ご褒美の「福田パンオリジナル野菜サンドトッピング付き」の魅力だけではないと思います。さすが、シモマックですね。

 

 ビデオカメラとスクリーンが教える数学

 T プロジェクタから投影された像〜縮小写像〜

 ビデオカメラで撮影した画像を、現在映し出しているプロジェクタで再生すると縮小写像の繰り返しが得られる。ここでで、スクリーン上の任意の点にマグネットなどで印をつけると、fの繰り返しによって、その点が、ある1点に向かって収束していく様子が確認できる。つまり、任意に縮小写像は領域内で不動点を持つことがイメージできる。

 U 2つの縮小写像の合併〜フラクタル図形〜

 2つの縮小写像f、gをランダムに割り当てながら変換を繰り返すと、フラクタル図形が生じる。つまり、理論的には2つのプロジェクタを使えばいろいろなフラクタル図形が作れるはずである。

 

 *の近似分数を生成する方法

 の近似分数を求めよう。

 @ まず縦が1、横が2の長方形を考えよう。これより、初めの近似分数が得られる。

 A 分母同士、分子同士加えて、これを縦し、横をとすると面積2となる。

 B 分母同士、分子同士加えて、これを縦し、横をとすると面積2となる。

…………………

 こうすると、縦の長さと横の長さはに近づく。この方法で古代バビロニア人は平方根の値を求めたという。実質的には、ニュートン法と同等の方法である。

 

 

●関数の連分数展開と分数式近似                伊藤潤一(平舘高校)

 小数の連分数表示と同様に関数の連分数式表示を考えてみよう。与えられた関数を

とする。この関数を

と連分数に変形するには、与えられた関数の逆数のべき展開をたくさん計算しなければならない。しかし、この方法は結構大変な計算になる。もっと簡便な方法はないだろうか?

 べき級数を効率よく連分数式に変換する方法は、20世紀中頃スイスのルティスハウザー(Hans Ruthishauser)が発案したという。この「商差法」で

を連分数式に変換してみよう。まず、初めに0の列を書き、次の列にを書く。あとは、下のように@、A、B、Cに配置された数に対して、C=@+A−Bで次の列を計算し、その次の列はC=@×A÷B計算するのである。そして、この計算を交互に繰り返すのである。

B

@     C

A

  0

      

  0      

            

  0             

                    

  0                   

                         

  0                    

                      

  0               

              

  0       

        

これより

が得られる。連分数展開の途中で切ると、近似分数関数が得られる。この近似は、べき展開による近似よりずっと精度のよい近似式になる。例えば、

          (4次近似)

 

●数の話〜連載・総集編〜                   小宮山晴夫(岩手大学)

 @同値関係・類別 A自然数 B整数環 C有理数体 D実数体 E複素数体 という構成です。読み直してみると、数の拡張の流れがわかってとてもおもしろかったです。ただ、存在記号や全称記号の説明がもう少し欲しかったと感じました。

 

 

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