’04杜陵サークル6月例会の案内

 東北地方も梅雨入りうっとうしい季節になりましたが、雲の間から時折もれる日差しは夏を思わせるものがあります。サークル会員の皆様お元気でお過ごしでしょうか。きっと1学期の締め括りのテスト問題など作成中でしょうか。さて、杜陵サークルの6月例会を次の日程でもちます。今回は、岩手高教組教研の推進委員会と合同で行うことになります。忙しい中でしょうが、なにとぞ都合をつけて参加くださるようお願いいたします。なお、同日午後2時からに岩手大学教育学部403号室で第2回盛岡数学クラブがもたれます。こちらにも参加して楽しんでみてはいかがでしょうか。

 なお、例会終了後にいつもの月見亭で“梅雨を楽しむ会”をもつ予定ですので、こちらの参加もよろしくお願いします。

1 日      時 6月26日(土)pm6:00から27日(日)12:00まで

2 場      所 第一ホテル 盛岡市上田4−20−45

           tel 019-654-5511

3 サークル例会  実践レポート発表・検討

         今年度の教研の計画

         数学雑談

 

インフォメーション

6月26日(土)午後2時から4時半の予定で「第2回盛岡数学クラブ」が岩手大学教育学部403号室でもたれます。今回は後に示すように「懸賞問題」付きの案内です。もともとは中高生向きの問題ですが、サークル会員の皆さんも挑戦してみませんか。

5月8日(土)〜9日(日)に東北民教研中間集会が秋田市のさとみ温泉でもたれ、岩手から小宮山、大内、木下、伊藤先生が参加しました。数学の分科会の圧巻は、秋田の大御所・和田先生の「年金の数学」でした。複雑でわかりにくい年金制度を数学的に明解(?)に説明し、政府の説明の真の意味を明らかにしようとするレポートでした。膨大なレポートですので残念ながら、時間がなく参加者は消化不良気味。続きは、夏の民教研で説明するということです。乞うご期待!

8月3日(火)〜5日(木)AMIの全国大会が高山でもたれます。サークル会員の皆様には案内・要項は届いているでしょうか?数学教室の7月号にも詳しい説明と参加申込書が入っています。昨年の「北海道ツアー」と同じようにサークルでツアーを組めれば楽しいと思います。今回のサークルで多分話題にしましょう。また、大会に向けて、サークルの各種出版活動をしていければとかんがえています。

5月のサークルで劇的に登場した、花巻北高の井上具規先生の「パスカルの三角形を3次元に拡張する話題」が数研通信No.49に載っています。サークルでは「ワダの三角錐」と呼んでいるものですが、彼は独自に考えたものなそうです。すごいですね。

絶好調の宮本先生と下町先生のホームページ。宮本先生のホームページの中に杜陵サークルのコーナーがあります。皆さんのぞいてみよう。

   下町先生のHP  http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/

    宮本先生のHP  http://homepage1.nifty.com./toretate/

 

5月例会の様子

 5月15日(土)の杜陵サークル5月例会の様子をお知らせします。

●ジャグリングの数理                   井上 具規(花巻北高校)

 ジャグリング(juggling)とは「3つのものを落とさず投げ続ける」というのが元々の意味です。今回はボールのテクニックを数字を使って表すことに挑戦します。

≪カスケード≫

 有名なカスケードの技を紹介します。

 

 

 

 

 

 

これをタイムテーブルで書くと次のようになります。

  時間 1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12

  右手 A  ×  C  ×  B  ×  A  ×  C  ×  A  ×

  左手 ×  B  ×  A  ×  C  ×  B  ×  A  ×  B

  数字 3  3  3  3  3  3  3  3  3  3  3  3

 右手→左手→右手→左手の順で投げるので、「×」がついているところには文字は入りません。この時間経過を「カウント」と呼びます。奇数カウントでは右手が投げ、偶数カウントは左手が投げることになります。また、1,4カウント目にAがあるので、3カウントごとにAを投げていることがわかります。下の欄の数字はそのことを表してします。この技を“3”と書くことににます。

≪サイドスワップ≫

 今度はサイドスワップ“441”という技を紹介します。

 この技では、(個)のボールが必要です。分母の3は分子の数字の個数のことです。

  時間 1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12

  右手 A  ×  C  ×  A  ×  B  ×  A  ×  B  ×

  左手 ×  B  ×  C  ×  B  ×  C  ×  A  ×  C

  数字 4  4  1  4  4  1  4  4  1  4  4  1

 このようにして、自分でオリジナルの技を考えることができます。例えば“543”という技は…?。

 この技では、(個)のボールが必要で、下のようなタイムテーブルのようになります。

  時間 1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12

  右手 A  ×  C  ×  A  ×  B  ×  C  ×  B  ×

  左手 ×  B  ×  D  ×  C  ×  D  ×  A  ×  C

  数字 4  5  3  4  5  3  4  5  3  4  5  3

  また、使われる数字は次のことを示してします。

  0:何も持っていない 2:投げずにそのまま持っている 4:少し高く投げて同じ手で取る

  1:すぐ反対の手に渡す3:普通に投げて反対の手に渡す 6:少し高く投げて反対の手に渡す

 井上先生は、なんと技を表す数字の列を入力すれば、その技をジャグリングするアニメーションのソフトを紹介してくれました。実に面白い!また、すぐにでも大道芸人になれるほどの実演もみせてもらいました。実に楽しい!

 

●嘘からでた正解                     金濱千明(盛岡第一高校)

 生徒にだした宿題「関数のグラフとx軸とで囲まれる2つの部分の面積の和を求めよ」という問題に次のような珍答があった。

 この生徒は、3次関数の積分ができないと思いこみ、なんとか2次関数の積分で間に合わそうと考えたようである。

 例えば、の面積は本来は次のように計算する。

 ところがこの生徒は、の中間点のときから、3点を通る放物線を求めて積分する。

とんでもない解法だが、不思議に答えはあってしまう。何でだろう?

 そこで、3点を共有する3次関数と放物線を考えてみた。

3次関数をとすると

2次関数をとするととなるので、となる。よって、とすると、

となり、常に正しいことがわかる。まさに“嘘から出た正解”である。

 

●珠玉のショートカットT〜新任地での挨拶がわりに〜     下町壽男(花巻北高校)

 【メネラウスの定理】

『三角錐OABCにおいて、点R、S、Tをそれぞれ辺OA,AB,OC上に

   OR:RA=1:3,AS:SB=1:1,OT:TC=1:9

となるようにとる。このとき、点Pが3点R、S、Tで決まる平面上にあるとき、で定まるtの値を求めよ。(改題:滋賀大)』

 これは空間ベクトルの問題であるが、空間のメネラウスの定理(宮本次郎先生による)を使った“禁断の技”で解くと次のようになる。

 空間におけるメネラウスの定理より

 すなわち 

【自明な式から始まって】

次の自明な式から始めよう

つまり、指数の真数と底が入れ替え可能!ということです。このことを使えば、次のような計算が非常に楽にできます。

(1)

(2)

(3)

【1次近似】

(1)2次関数が次のようなグラフのとき、の符号を答えよ。

 

 

 

 

 

 

 

(2)3次関数が次のようなグラフのとき、の符号を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●量の理論・・・70年代・・・その1               宮本次郎(釜石南高校)

 1976年の数学セミナーの連載「“量の計算”を見直す」(小島順)を振り返り、現在も続くAMIの議論を楽しく観戦するための基礎知識としたい。

 1 量の計算と数値の計算

 私たちは日常の生活の中で、さまざまな量の計算をしている。例えば、

速度×時間=距離

のような式(formula)を考えよう。速度をv、時間をt、距離をsとそれぞれの量を簡単な1つの文字でおきかえると、これらの式は

のようになる。これが“量そのものの公式”であり、v、t、sは量そのものであって、具体的な数値を表しているものではない。これから、“数値の公式”を導くことができる。すなわち、

*m/秒、秒を、の左辺に代入して計算すると

*m/秒×秒=

となるから、一方でとおけば、である。こうして、数値による公式

速度am/秒でx 秒にym動くとき

が得られる。単位の選び方を変えると

速度akm/時でx 時間にykm動くとき

速度aノットでx 時間にy海里動くとき

などさまざまな公式ができる。

 式の実質は、“比例定数”のaなのだが、同一の物理量vに対してこのaはそれぞれ異なる。“量そのものの公式”は、物理量そのものについての普遍的な公式であるのに対して、“数値の公式”は単位の組を定めることで得られる量の公式の表現に過ぎない。“量そのものの公式”だと丸ごとデータを代入し、機械的に計算することができる。したがって“数値の公式”を使うよりやさしい。

 2 高校物理の教科書

 高校の物理の教科書を調べてみると、例えば東京書籍では次にようになっている。

「時間t[s]のあいだに距離s[m]だけ進むとき、その間の速さvは

で計算される。単位はメートル毎秒(記号ms)を使う。速さを表すには物理ではこの式で定義されるmsが使われる」

 では現実の20mという距離に対して

(イ)s=20 (ロ)s [m]=20 (ハ)s=20 [m] (ニ)s [m]=20 [m] (ホ)s=20m

このうち、どれが○でどれが×でしょうか?

 この考察からs [m]とは、本来アイマイでいい加減な記号であることがよくわかる。

 ところでマトモな教科書(三省堂)もある。「はじめに−物理学と物理量」と題した部分で、まず、

物理量=数値×単位(単位の数値倍)

であることを述べ、例をあげて説明している。

「2cm,3cmの2辺を持つ長方形の面積Sは単位のとり方によって

S=2cm×3cm20mm×20mm

と表せるが、Sは面積という物理量そのものを表し、単位の取り方に関係ない量であることがわかる。一般に長方形の2辺の長さをa,bとし面積をSとしたとき

S=ab

において、a,bは2cm20cmという、単位まで含めた物理量をあらわし、単位の大きさに関係しないりょうである。あいたがって、上式は単なる数値の間の関係式ではなく、量の関係式で、単位の取り方によらない式である。」

・・・・・・・

とまあこんな調子で「宮本論文」は延々と続くのであります。宮本先生は70年代の量の議論の再来を願っているのでしょう。みなさん頑張ってつきあいましょうね。

 

XAVIERZ発刊す!                     伊藤潤一(盛岡北高校)

 前任校では学年通信XAVIERXやXAVIERYを作り続けてきたが、新任校ではこれを教科通信に仕立て直してXAVIERZを発刊することにした。週1回の発行を目標に取り組んでいるが、生徒の評判はとてもよい。心待ちしている生徒もかなりいるようで、新任校でも生徒を

伝道師ザビエルとネコ仙人ワールド

に引き込むことにほぼ成功したようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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