’04杜陵サークル12月例会の案内

 

 岩手山も中腹まで雪化粧、里までいつ雪がやってきてもおかしくない時期になりました。タイヤの交換をしなきゃ!杜陵サークルの会員の皆様、教研や東北大会などさまざまな研究会で活躍お疲れさまです。さて、杜陵サークルの12月例会を次の日程でもちます。なお、例会終了後にいつもの月見亭で“初冬を迎える会”をもつ予定ですので、こちらの参加もよろしくお願いします。

      日      時 12月4日(土)p.. 4:00 から 7:30 まで

2   場      所 岩手大学教育学部小宮山研究室(407号)

              tel 019-621-6539  fax 019-621-6543

3   サークル例会  実践レポート発表・検討、教具作り& 数学雑談

 

インフォメーション

11月5日(金)17:00〜岩手大学公開講座「数学教員セミナー」がもたれ、「複素数と方程式」(埼玉大:小嶋先生)と「ゾウとネズミ:生涯エネルギーを消費するのはどっち?」(岩手大:飯田先生)の話を聞けました。どちらもとても興味を引く内容でしたが飯田先生の哺乳類のサイズとエネルギーの消費量の法則が面白かったです。両対数のグラフを使った新しい実践の可能性を感じさせるものでした。サークル会員の皆さんもたくさん参加していました。

11月6日(土)14:00〜岩手大学教育学部で第3回盛岡数学クラブがもたれました大口の花北の生徒が都合で不参加のため人数は少なめでしたが、盛北生の「ハノイの塔についての考察」の発表もあり、なかなか充実したものになりました。次回は1月22日の予定です。

11月13日(土)〜14日(日)繋温泉ホテル大観で岩手高教組の教研がもたれました。サークル会員からは「学校から数学を発信しよう」(花北:下町先生)、「3次元でグラフを理解しよう」(花北:井上先生)、「数学におけるデジタル教材を用いた授業の一例〜パスカルの三角形〜(一戸:鳩岡先生)、「小数の色分けとパスカルの三角形」(軽米:下河原先生)、「2つの線束の交点の軌跡について」(盛一:金濱先生)、「不等式の覚書」(盛北:伊藤先生)、「統計教材に関する実践と考察」(葛巻:高屋敷先生)のなんと7人が発表!1月の札幌での全国教研には高屋敷先生が行くことになりました。なを、宮本先生は、宮城県の教研の方に助言者で参加しています。

11月27日(土)〜28日(日)にAMI東北大会が山形県米沢市でもたれ、サークルから宮本先生・井上先生が「ペーパークラフトのお店」(教具作りの講座)、下河原先生が「円と三角形の不思議」(レポート)を発表します。総勢7名のツアーで参加する予定です。

絶好調の宮本先生と下町先生のホームページ。宮本先生のホームページの中に杜陵サークルのコーナーがあります。皆さんのぞいてみよう。

   下町先生のHP  http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/

    宮本先生のHP  http://homepage1.nifty.com./toretate/

 

10月例会の様子

 10月30日(土)の杜陵サークル10月例会の様子をお知らせします。

GRAPHICS OF CATENOIDS IN HYPERBOLIC 3-SPECE

  AND  STABILITY OF SPHERICAL CATENOIDS                Jung-Ah Choi北海道

 3次元双曲空間内の回転極小曲面を考える。これらの曲面を直接見ることはできないので立体射影を用いて単位球体()内に実現する。回転極小局面には次の3種がることが知られている。(森 博 : 1981

 (1)Spherical type (楕円型)

ただし、

 (2)Hyperbolic type(双曲型)

ただし、

 (3)Parabolic type(放物型)

ただし、

 これの曲面のグラフィックスは、MathematicaV2.2で描いた。

    (Fig.1                   (Fig.2)                        (Fig.3)

 

 

 

 

           (Fig.4)

Fig.1は、双曲型。Fig.2は、放物型。そして、Fif.3Fig.4は楕円型である。パラメータaの値によって、極小曲面は大域的に安定になったり不安定になったりする(らしい)。

 一般に、次の定理が成り立つ。

 (1)ならば、2つのとは×Rで必ず交わる。

 (2)ならば、×{0}上で接するように漸近的に近づく十分小さい2つの

    とが存在する。

 (3)ならば、を葉(leaf)とする葉層構造を与える。

とまあこんな感じの発表でした。よくわからない人、この問題に興味をもった人は、花北高の井上先生に聞いてください。そうなんです韓国生まれで金沢大院卒のChoiさんは、実は、井上先生の奥さんなのです。

 

●楕円焦点の円錐投影と母線他                井上 具規(花巻北高)

 2つの焦点G、Gからの距離の和が一定になる点Qの軌跡は、もちろん楕円となる。さらに、Fig.1より、直線GQの延長上にQR=QGとなるように点Rをとると、

GR=GQ+QR=GQ+QG(一定)

となるので、点RはGを中心とした円を描く。

 焦点がとしたときの楕円の方程式は、次のようになる。

・・・・@

 さてここで、一番外側の円をz軸方向に−2dだけ平行移動し、この円を底面とし、頂点を原点Oとする円錐を考えよう。@の楕円の長軸の頂点をこの円錐にz軸方向から射影した点をそれぞれS、Tとする。S、Tを通りy軸に平行な平面で円錐を切ってできる楕円面をα、また、点とする。このとき、次の補題が成り立つ。

  補題1 楕円αは、@の楕円を円錐に射影したものである

  補題2 楕円αから頂点Oへの錐体と、楕円αから頂点Fへの錐体は合同である

 この2つの補題から、次の定理がいえる。(Fig.2参照)

  定理 円錐の母線の長さを、楕円α上の任意の点をPとするとき、となる。

 このことは、楕円@の2焦点からの距離の和が、円錐の母線に投影されていることを表している

 さらに、楕円αから頂点Oへの錐体の体積Vは、次のようになる。(ケッコウ綺麗な式である)

 この他に井上先生は「ぱんだで合成関数」「ぱんだで群論の初歩」という話題も紹介しました。

「半濁点や濁点を付けたり、取ったりするする「関数の合成」(置換の合成)を考察して楽しく合成関数を学習しようとするものです。

 

 

 

●多面体の体積と表面積T                  下河原 英(軽米高校)

 1辺の長さが1である正多面体の諸量について求めてみた。以下体積をV、表面積をS、外接球の半径をR、内接球の半径をrとする。

(1)正四面体

(2)正六面体(立方体)

(3)正八面体

(4)正十二面体

 正十二面体の一つの面は正五角形であるので、表面積を求めるためにはこの1辺が1の五角形の面積を求めなければならない。あらかじめ、この正五角形の対角線の長さ、

を求め、これを利用して、

を計算しておく。また、この正五角形の外接円の中心をKとして半径をとすると、余弦定理より

が求められる。こうして、1辺が1の正五角形の面積が求められる。

したがって、正十二面体の表面積は

となる。次に、外接球の半径は、図のように内接する正六面体を考える。この正六面体の1辺は正十二面体の1つの面である正五角形の対角線である。正十二面体の外接球の直径はこの正六面体の対角線であるから

となる。内接球の半径は図のように、正十二面体の外接球の中心から一つの面に下ろした垂線の長さを求めればよい。三平方の定理から

となる、さらに体積は、と20個の頂点を結んでできる12個の正五角錐の体積の和で求められる。

正五角錐

これを計算して、

が得られる。同様にして正二十面体についても計算中とのことです。(今後どのように展開していくのでしょうか、実に楽しみ?ですね)

 

 

不等式覚え書き他                     伊藤潤一(盛岡北高校)

 昔の数学T(1970年代)の不等式は2次不等式の他に、3次不等式、分数不等式、無理不等式、三角不等式、指数・対数不等式などが次々に登場していた。(当時の高校生はレベルが高かったのだろうか?)しかも、それぞれの不等式は固有な解法をもち、これをマスターするのがとても大変だった。(生徒も教師も!)そこで、これらの不等式の統一的解法が編み出された。以下その概略を示す。

 ・関数の零点と正・負の範囲

   関数の零点(zero point)とは、方程式を解である。

   関数の正の範囲とは、不等式となるようなxの範囲である。

   関数の負の範囲とは、不等式となるようなxの範囲である。

    不等式を解くとは、関数の正の範囲もしくは負の範囲を求めることである。

 ・関数の零点と符号の規則

  零点の重複度によって、隣接する区間の符号が決まる

   (単純)解、3重解、5重解、… ⇒ 異符号


   2重解、4重解、6重解、……… ⇒ 同符号

 ・1元不等式の解法のアルゴリズム

   ア)定義域を求める(確認する)

   イ)の型に変形する。

   ウ)関数の零点を求める

   エ)1つの区間の符号(正負)を決定する

   オ)全ての区間の符号(正負)を決定する

 

 「3次不等式を解け」

 (解)とおく

   (関数の定義域は、実数全体)

   方程式を解くと

    

    (2重解)

   一方

   (符号の規則により)

 

 1元不等式の解は数直線上の区間になる(1次元)が2元不等式の解は座標平面上の領域(2次元)になる。このため2元の場合は“不等式を解く”ことは“領域を図示する”ことになる。これは大きい変更点である。

 ・2変数関数の零点と正・負領域

   2変数関数の零点の集合(境界線)と関数値の符号の規則

    単純な境界線を横切ると関数の符号が変わる

    2重に重なった境界線は横切っても関数の符号が変わらない

 ・2変数関数の零点と正領域・負領域

   2変数関数の零点とは境界線である。

   2変数関数の正領域とは不等式となるような点の領域

   2変数関数の負領域とは不等式となるような点の領域

   2元不等式を解くとは、2変数関数の正領域もしくは負領域を図示することである。

 ・2元不等式の解法のアルゴリズム

   ア)定義域を求める(確認する)

   イ)の型に変形する。

   ウ)境界線を描く

   エ)1つの領域の符号(正負)を決定する

   オ)全ての領域の符号(正負)を決定する

 「不等式の表す領域を図示せよ」

 (解)とおき、正領域を求める。

   (定義域は、座標平面全体)

    境界線は、

    

   (符号の規則により)斜線部が求める領域である。

 

 この他に伊藤先生は、10月28日に盛北高で行った確率の研究授業「確率を知らなければ、この世は生きられない」の指導案と授業の様子を報告しました。

 

 

●数列の授業覚え書き他                  下町 壽男(花巻北高校)

 今年の花巻北高の2年生で行った数列の授業から、ちょっと面白かった部分を紹介します。

  1 等差数列の和

  2 奇数の和はグノモンで、

  3 立方和もグノモンで、鍋敷きもあるゾ!!

  4 群数列はゴルフ方式で

  5 特性方程式型漸化式はチロルチョコでばっちり

  6 等比数列と音階の話はやっぱりやっておきたいね

    7 数学的帰納法ではドミノ倒しが一番!

 シモマッチ先生の絵をじっくり鑑賞してください。おすすめは、Goods3の「群数列の部分和が、3乗和のグノモンになっていることです(新発見かも!)」また、goods5の「チロルチョコといたずらっ子ヨーヤ君のお話です(ネズミ・ネコワンダーランドを超えるか物語かも?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送