2001年文化祭数学展示

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Eは良い(爆)!!

 自然対数の底eは円周率のπと並んで数学でよく出てくる無理数のひとつです。

 これは生活の中で生まれたそうです。自然対数の考え方はすでに紀元前1700年前も前にメソポタミアで生まれていたといわれていますが、この概念が実用的に利用されるようになったのは17世紀になってからだそうです。それは、メソポタミアで生まれたものとは全く違う形で発展してきたようです。

 対数の概念はイギリスのジョン・ネーピアという人によって全く人工的に考え出されたものです。彼は三角関数の積和差公式
   cosA cosB = 1/2{cos(A−B)−cos(A+B)}
これを知っていました。これは二つの角度のsinとcosの和と積の値を知っていればそれぞれの角のsinAとcosBの積を求められるというものです。

 これは言い換えれば、ある数値を特定の関数に直しておけば、それらの数の積を和の形で簡単に計算できるということになります。

 そこでネーピアは等比数列にあらゆる数を指数で表せば、等差数列にすることができると考えました。つまり
   M=qn
こうすれば二つの数の積が指数の和によって計算できると考えたようです。つまり
   qn×qm=qn+m
となります。問題はこのqの値をどうするかです。この値が大きすぎても小さすぎても現実的ではありません。そこでネーピアは0.999999=1−10の−7乗 という数字をqとして選びました。

 こうしてネーピアは1594〜1614年までの20年間をかけてあらゆる数字の指数を求め、この表を作ったようです。今日、指数のことをlogarithmと言っていますが、これはネーピアがこの指数を「対数」もしくは「比の数」と呼んだことに由来しています。つまり、logos=比、arithmos=数;logarithm=対数となったようです。こうしてネーピアはあらゆる数をN=1010(1−10-7の式であらわしました。

 一方、有名な展開式を考案したオイラーという人が
   N=b
の形を提案したそうです。このbがやがて自然対数の底eとなります。


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自然対数の定義

 

 ネーピアが対数という概念を発明する前、それは3000年も前に、メソポタミアの商人は次のような計算をしていました。それは、

「金利20%でお金を科した場合に、一体何年くらいで元金ともども2倍になるか」

という問題でした。これは式に書くと
   a(1+0.2)=2a
となります。答えはnにいろいろな数値を当てはまれば分かりますが、n=3のときに1.728倍、 n=4のときに2.0736倍になるので、nは大体3.8位になります。彼らは、この値を3.7870としていたようです。正確にはこの値は3.8018なのでいかに正確な計算だったかということが分かります。すごいですね。

 そして、この計算を異なる期間で複利としt年間預けるとどうなるかという計算をしますと、
   S=P(1+r/n)nt となります。この式をさらに詳しく調べるために、r=1とし、さらにt=1としてnの値を変化させていくと次のようになります。

(1+ 1/n)
1 2
10 2.59374
100 2.70481
1,000 2.71692
10,000 2.71815
100,000 2.71827
1,000,000 2.71828

 驚くべきことに、nの値をいくら大きくしても、(1+1/n)のn乗の値は、大体2.718程度に落ち着くことが分かります。後に、eの値は次のように定義されます。
   limn→∞(1+1/n)
これは、先の表からも分かるように、2.71828となり、これを対数の底としたものを自然対数と呼ぶようになったのです。ですから、自然対数はまさに金利の計算の産物といえるんですね。

 この先は対数螺旋の式などもあるようですが、こうしてみるとeってこんなに奥が深かったんですね。びっくりしました。一歩間違えれば「え」ですからね(笑)。


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eにメロディーを

 私はこの無理数eにメロディーをつけてみちゃいました。なかなかおもしろかったです。他のみんなはせっせと頭を使って難しい計算をしていましたが、私はひょっこり参加して頭を使わずにパソコンに向かってもくもくと打ち込み作業をしました。忙しそうにしている某Cちゃんには申し訳なかったのですが・・・

 どのようにして音にするかというと、それは簡単です。
   1 → ド
   2 → レ
   3 → ミ
   4 → ファ
   5 → ソ
   6 → ラ
   7 → シ
   8 → ド
   9 → レ
とするだけです。シンガーソングライターライトというソフトの入ったパソコンを先生から借りて文化祭に間に合わせました。

 初めて音にしたときには笑ってしまいました。けっこうちゃんとした(そうでもないかも)音楽になるんですね。いや〜、楽しませていただきました。きっと私はeと向き合うたびに、ネーピアさんと、商人の話、そしてなによりこの奇妙なメロディーにとともに思い出すことでしょう。ありがとうございました。


    最後に・・・・・
       これはケンタウルスさんのHPから引用させていただきました。
     ありがとうございました。(http://www1.odn.ne.jp/kentaurus/)

 最後になりましたが、今このページのBGMになっているのが、そのeの音楽です。


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