取れたての定理集

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オイラーの多面体定理とちなつの定理・・・2

立体の結合によるオイラー数と「おいらの数」の変化・・・2

 

面と面の結合

ひとつの面を共有して結合するとき

 2つの立体が一つの面を共有して結合するとき、共有する面の辺、頂点が重複することにより、その数だけ減少し、面は二つともなくなってしまう。その結果、二つの立体のオイラー数の和から、結合によってなくなる頂点・辺・面の数を用いて
   頂点の数―辺の数+面の数=4−4+2
として計算される分だけ減少したものが、新しい立体のオイラー数となります。


 次に「おいらの数」について考えてみましょう。結合のために共有された頂点のまわりの不足角がどのように変化したかを考えればよいのです。
 結合のために共有された頂点では、もともと、3つの面が集まっていた。それが共有によって、6つの面が集まることになります。そのうち2面は結合によって消失します。その結果、結合にあずかった4つの点では、(−90°)×4×2の不足角が減少します。したがって、「おいらの数」は、二つの立体の「おいらの数」の和から720°減少します。


 結合にかかわる頂点では、もともと3つの正方形が集まる頂点であったり、4つの正方形が集まる頂点であったりしますが、どの場合も集まる正方形の数は結合の結果1つだけ増加します。
 したがって、一つの面を共有する結合のときには、結合前の立体の結合に関わる頂点のまわりの正方形の数が、1つずつ増加し、それ以外では変化しないので、不足角については、90°×2×4だけ減少することになります。


 1つの面を共有して結合するとき
   「新しい立体のオイラー数」=「二つの立体のオイラー数の和」 − 2 
   「おいらの数」= 「ふたつの立体のおいらの数の和」−720°
となっています。

 ある立体に直方体を1つの面を共有して結合する場合、
オイラー数は、変化しない
   おいらの数は、変化しない
という変化をすることになります。



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ふたつの面を共有して結合するとき

 共有に関わる二つの面がひとつの辺を共有してつながっているとき、共有する面の辺、頂点が重複することにより、その数だけ減少し、面は四つなくなってしまい、また、2面の共有する辺は辺ではなくなってしまいます。その結果、二つの立体のオイラー数の和から、結合によってなくなる頂点・辺・面の数を用いて
  頂点の数−重複する辺の数−なくなる辺の数×2+面の数=6−6−2+4=2
として計算される分だけ減少したものが、新しい立体のオイラー数となります。
 結果として、もとの立体のオイラー数と、立方体と結合したことによってできる新しい立体のオイラー数は等しくなります。

 また、二つの面が共有する頂点については、結合によって頂点に集まる正方形の数が4消滅することになります。そのような点においては不足角が、結果として、結合する二つの頂点のそれぞれの不足角を加えたものになります。
 一方、他の頂点は、結合によって、その頂点に集まる正方形の数が、その和から2消滅することになるので、それぞれの頂点の不足角の和に180°加えたものが不足角になります。したがって、2点については単に不足角を足して、他の4点については、180°ずつ加えることになるので、「おいらの数」は、二つの「おいらの数」の和から720°引いたものになります。
 結果として、もとの立体の「おいらの数は」立方体を結合しても変化しないということになります。


 二つの面を共有して結合するとき、結合にかかわる2面に共通部分がない場合については、それぞれの面についての変化が一つの面を共有する結合と同じであるから、各面での変化の2倍になります。
 オイラー数は、二つのオイラー数の和から2×2だけ引いた数になるし、「おいらの数」は、ふたつの「おいらの数」の和から720°×2だけ引いたものになります。

 したがって、このような結合の場合には、オイラー数も「おいらの数」も変化することになります。左の写真では、オイラー数2、「おいらの数」720°が、このような結合によって、オイラー数0、「おいらの数」0°となります。


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3つの面を共有して結合するとき

  結合する立方体の面のうち、3つの面が共有されるとき、面のつながり方によって、2つの場合が考えられる。

 共有する3つの面が、3つ並んでつながっているときを考える。共有される面と共有される面は、1辺を共有してつながっています。 このとき、共有によって、頂点については8つが重複し、辺については8つが重複し、2つの辺は結合によってなくなります。面は全部で6つがなくなってしまいます。
 したがって、
  新しい立体のオイラー数
   =二つのオイラー数の和−8+8+2×2―6
   =二つのオイラー数の和―2
となります。

 「おいらの数」の数についても
   新しい「おいらの数」   =ふたつの「おいらの数」−720° となります。


 次に、共有する3つの面の共有する辺が1点で3本交わっているときを考えましょう。
 このとき、結合によって、頂点は、6つが重複しており、1つは頂点ではなくなります。そして辺は6本が重複し3本は辺ではなくなります。そして6つの面が消滅します。
 新しい立体のオイラー数は、
   オイラー数の和−6−2+6+3×2−6
  =オイラー数の和−2
となります。
 また、「おいらの数」は、
   「おいらの数」の和−720°
となります。


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4つの面を共有して結合するとき

  写真のように四面が共有されて結合されるとき、
オイラー数については、
   新しい立体のオイラー数
  =オイラー数の和−2
となりますし、
   新しい立体の「おいらの数」
  =「おいらの数」の和−720°
となります。


 また、この写真のように結合する場合には、
オイラー数については、
   新しい立体のオイラー数
  =オイラー数の和
となりますし、
   新しい立体の「おいらの数」
  =「おいらの数」の和
となります。


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5つの面を共有して結合するとき

  5つの面を共有して結合するのは、この写真のような場合しかありません。
 この場合には、オイラー数については、
   新しい立体のオイラー数
  =オイラー数の和−2
となりますし、
   新しい立体の「おいらの数」
  =「おいらの数」の和−720°
となります。



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ちなつの定理が成り立つわけ・・・証明らしきもの・・・

 立方体については、オイラー数2、「おいらの数」が720°であって、
   おいらの数=360°×オイラー数
が成り立っています。
 立方体を2つ結合して得られる直方体については、七節でみたように、
   オイラー数
  =立方体のオイラー数×2−2
  =2×2−2
  =2
となります。
 また、「おいらの数」についても
   おいらの数
  =立方体のおいらの数×2―720°
  =720°
となります。
 したがって、いろいろな大きさの直方体は、みなこのような結合によって得られるので、直方体のオイラー数は2、「おいらの数」は720°となります。
 オイラー数と「おいらの数」は、結合によって
   オイラー数の和−2
   おいらの数の和−720°
となることが多くあります。立方体からはじめて、立方体を結合させて立体を作っていくとき、このような変化をする変形をしていくかぎりでは、オイラー数は2、「おいらの数」は720°で変化しないことになります。階段状の立体のオイラー数が2であることと、「おいらの数」が720°であることは、このようなことと理解されます。
 オイラー数並びに「おいらの数」が変化するような結合の仕方とは、共有する辺がない2面を共有する結合をする場合でです。立方体を結合していって「コ」の字型ができて、そこに立方体が結合して「ロ」の字になるようなことをすると、オイラー数は0で「おいらの数」は0°となるのです。
 このようにしてできる「ロ」の字型をいくつか組み合わせると、それによってオイラー数と「おいらの数」は変化していって、
   オイラー数=2−穴の数×2
   おいらの数=360°×オイラー数
となることが証明できます。


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立体の連続的変形についての
オイラー数の不変性と「ちなつの定理」について

 オイラー数は、立体の頂点・辺・面のつながり方に関係していて、辺の長さや面の大きさには関係しない量です。したがって、正方形を風船に描いて、その風船を膨らませたりしぼませたりして、描かれた図形が変化しても、そのオイラー数は変化しません。
 立方体が粘土で作られていれば、少しずつ伸ばしていって直方体になっても、それをぐにゃっとまげていっても、オイラー数は変化しないのです。
 したがって 、右の写真のオイラー数は2となります。


 さらに、このような立体を二つ結合させてできるドーナッツ型の立体を作ることを考えると、辺を共有しない二辺を共有する結合をしているので、結合の結果オイラー数は0となることになります。

 このように滑らかな表面を持つ立体を、立方体を組み合わせて近似することを考えてみましょう。使用する立方体をどんどん小さいものにしていけばこのような滑らかなな表面を持つ立体にどんどん近づけていくことができます。立方体で組み立てた立体については、穴さえあいていなければオイラー数は変化しないのですから、積分を定義したときのように極限をとって、滑らかの表面の立体のオイラー数を考えることもできそうです。

 同様に、立方体で構成されたものではない多面体についても小さな立方体で近似された極限と考えれば、みな同じオイラー数・「おいらの数」となることもわかるような気がしてきます。

 滑らかな曲面で囲まれた立体に対する「おいらの数」がどのように定義されるべきか、考える必要はありますが、私の見つけた定理、
  おいらの数=360°×オイラー数
は、なめらかな立体に対しても成り立っているような気がします。


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